代表メッセージ
フードアナリスト資格は「食の情報」の専門家資格として誕生しました。
フードアナリスト構想は2003 年に創案され、(社)日本フードアナリスト協会を、2005 年11 月21 日に設立致しました。その後、栄養、薬剤、薬膳、食事法、医療、料理、文化、芸術、マナー、経営、法律等の専門家との議論を重ねてまいりました。そしてレストラン業界、ホテル業界、インテリア業界、医療業界、薬品業界、食品業界、農水産業界等の多くの産業界、および大学・専門学校等の学術界からのサポートを受け、2006年6月に第1回検定試験をスタートすることができました。食の資格の中では、もっとも新しい資格の1つですが、正会員は1万3千人を突破し、受講生は3万数千人(2014 年9月現在)という食の資格の中でも有数の規模の資格にまで成長してきました。
フードアナリスト資格の最大の特徴は、「食にまつわる全ての事」を体系的に専門的に学ぶことができる、という点にあります。「食にまつわる全ての事」とはすなわち「食の情報」のことです。
現代社会に生きる私たちは、様々な「食の情報」を食べています。
よくテレビのグルメ番組などで紹介されている「味がいい、悪い」というのは、9つある「食の情報」(安全情報、栄養情報、新商品情報、うまいもの情報、鮮度情報、調理情報、味覚情報、旬情報、食材情報)の中の「味覚」情報の事です。ここ数十年の間に私たちの食を取り巻く環境は大きく変わっています。スチームコンベクションオーブンをはじめとする調理技術の進歩、調味料の一般化、保存・冷凍技術の発展、レシピサイト等による調理情報の大衆化によって、「味覚」が「おいしさ」の大半を占めていた時代は終わりました。現代社会では、見た目の美しさ、盛り付けや器は元より、安全性、栄養、鮮度、食材から文学作品や映画、テレビ、CM、雑誌まで多くの食情報が「おいしさ」を形成する大きな要素になっています。
フードアナリストの学習は、日本の食文化を中心に、世界の料理の特徴、テーブルデザイン、礼儀作法とマナー、ホスピタリティ、薬膳、文学作品や映画、絵画の中の食、茶道や華道、香道、書道の初歩にまで至ります。2級では法律やマネジメント、個別のレストランや全国の名産品を学びます。また語学がカリキュラムに組み込まれており、4級では英語、3級ではフランス語、2級では中国語について一定のレベルも必要とされます。
フードアナリストは食にまつわる全ての事を体系的に学ぶ事ができる唯一の資格であり、現代社会に最も必要とされている資格、という評価をいただいております。
フードアナリスト4級は、フードアナリスト学の基礎となる分野を幅広く学ぶ内容になっています。
食・食空間に関することを、幅広く学習し、検定試験を実施して、認定するという試みは過去にもありました。しかし最終ユーザー、すなわちレストラン利用者や食品の消費者自体を育成・啓蒙することにより、フードビジネスにとって全く新しい「有用なプロフェッショナル」を輩出しようという試みは日本初の事です。
多くの食の資格乱立の中で、日本初の資格である「フードアナリスト」は選ばれ続け、多くの有識者の方々から支持をいただいています。その理由をいくつか挙げてみましょう。
地球規模でのグローバル化が進み、世界中の料理を日本においても楽しむことができるようになった点。
戦後の復興から高度成長を経て、世界有数のGDP(国内総生産)を誇るまでに至り、食文化醸成の前提である豊かさを享受している点。
1995 年以降、インターネットが急速に一般家庭にも普及したことにより、食の情報が氾濫。それに伴い、情報の専門家=フードアナリストの活躍の場所やチャンスが広がった点。
世界に誇る千年以上の伝統ある日本料理と日本食文化の存在と日本の食文化に対して専門的に学び、造詣が深いフードアナリストの必要性。
ファストフードの普及と日本食文化の継承への危機感。
外食産業、食関連業界で働く仲間の地位向上。
以上のことは、各界の有識者の方々が、現状の日本の豊かさやグローバルな食文化繚乱を認めながらも、わが国の食文化の将来、そしてそれを支える人材に対して危機感を感じているという証拠でもあります。
フードアナリストは一人ひとりがメディアであり、食の情報を発信するツールも協会が用意しているものを含めて多岐にわたります。レストランや食材、食品の紹介文を書く事、匿名調査(ミステリーショッパー)、コンサルティング、商品開発などフードアナリストの活躍の場はますます広がっています。最近では料理研究家、レストラン評論家、食品や食材の研究家など、フードアナリストから多くの「人財」を輩出するに至っています。
インターネットが安価で高品質に、誰でも簡単に利用できる時代の到来とともに、消費者の価格や品質への要求も高まり、および嗜好性の多様性の時代が到来しました。そういった時代の中で、食の分野における「プロデュースができるコンシューマー」=「プロシューマー」としての立ち位置を持ったフードアナリストへのニーズは、今後ますます広がると予想されます。
しっかり勉強された方が「フードアナリスト」が、時代が求める真の「フードアナリスト」となって、フードビジネス業界で活躍し、そして創造的に変革される原動力になることを期待して止みません。
2014年9月吉日
フードアナリスト・プロモーション株式会社
代表取締役 横井裕之